その先の道は海に続いていました。10mぐらい先までは見えるのですが、そこから先は深い海の闇に飲まれて見えません。

ふと、風に乗って聞いた事のある声が聞こえてきます。

「―――い」

「おーい」

「おーい」

きょろきょろ辺りを見回すと、見たことのある大きな塊、釜が波に揺られてやってくるのが見えました。

「下り坂を転がって動く事が出来たのは良かったのだけど、止まれなくなってしまってね。勢いがついたまま、ぼちゃんさ。」

「逆立ちバッタとはぐれてしまったんです・・・」

「そりゃ大変だ!幸い水の中では僕の思う通りの方向に流れるぐらいは出来るみたいだし、僕の体に乗りたまえ。バッタ君を探しに行こう!」

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