しばらくまた歩いていくと、下り坂が終わって、道が二つに分かれていました。

道の真ん中にはそっくりな双子がいました。

「ひょっとして、君たちが双子の魔法使い?」

「そうだよ!」

双子はぴったりのタイミングで同時に言いました。

「大きな釜がここに転がって来なかったかい?確か君たちの知り合いだと思うんだけど・・・」

「さあ、知らないねえ。

けれども、君がここに来た目的は知っているよ。」

僕はびっくりしました。

「僕を知っているの?」

「ああ、知っているとも!

それよりも、この道は別れてすぐ戻る。どちらの道を行くかは自由だ。好きな道を行くが良いよ。」

僕らはうなずいて、別々の道を行くことにしました。すぐに会えると思っていたから。

僕は左の道、バッタは右の道を選びました。

再び一本の道に戻って来た時、僕は一人でした。

振り返ってみましたが、左の道にも、右の道にもバッタの姿は見えません。

遠くで双子が振り返って笑っていました。

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