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バッタと連れ立ってまたしばらく歩いていると今度は大きな釜が道を塞いでいました。
「なんだ邪魔だなあ。これじゃ回り道をしないといけないぞ。しゃくだなあ、えいっ!」
力一杯釜を蹴飛ばすとごーんと言う音が何か言っているように聞こえます。
「あいてーっ!だれだだれだ俺様を蹴飛ばすやつは!」
僕はとても驚きましたが、音が静まると声も聞こえなくなってしまいました。 不思議に思ったのでもう一回もう一回釜を蹴飛ばしてみました。
「あいててて、頼むから俺を蹴飛ばすのをやめてくれ。」
たしかにこの道を塞いでいる釜が喋っているようです。しかも、釜は叩いて音が鳴っている間だけ喋れるようなのです。 僕は釜と話してみることにしました。今度はかるーく叩きながら。 |
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「君は誰だい?」 「僕は大入道。とは言っても今はごらんの通り、自分で動くことも出来ないただの大きな釜だけどね。昔は大きくて力持ちで。だから、もっと大きくなって、もっと力持ちになりたかったんだ。だから双子の魔法使いのところに行って頼んだのさ。 もっと強くなりたいと。そうしたらこんな姿にされてしまったんだ。」 「ふーん」 「そうだ、ちょっと頼みがあるんだ。」 「何だい?」 「ちょっとそこの尖がっている所を押してくれないかなあ。ちょっと押せば動くはずなんだ。ここから先はずっと下り坂だからね。ちょっとだけ、押してくれないかなあ?」 「いいよ」
僕らは力をあわせて釜の尖がった所を押してみました。 すると思いの他、釜は軽く動き出し、だんだんとスピードを上げて下り坂を転がり始めました。そしてあっという間に見えなくなってしまいました。 |
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